日本大学文理学部化学科/大学院総合基礎科学研究科相関理化学専攻
有機合成化学 早川研究室/Synthetic Organic Chemistry: The Hayakawa Group

有機合成化学を駆使して,有用な生物活性を示す天然物の全合成研究と全合成を起点とした生体機能分子の設計に関する研究を行っています.

研究室配属を希望されるみなさんへ

早川研は2020年4月1日に早川が岡山大学から着任して発足しました.
このHPを見て下さっている方は,日大文理の学生さんだと思います.私の研究に興味を持った方は是非見学にお越し下さい.もし実際の実験室の雰囲気や私には聞きにくいこと(?)は,研究室見学に来て頂いて,早川研の学生さんに聞いてみて下さい.

1年間の研究室の準備期間を経て,2021年4月に第1期生7名を迎えて早川研は本格的に始動しました.今年度でB4〜M2まで揃い,毎日研究に励んでいます.いよいよ第1期生であるM2が社会に飛び立ちます.第1期生6名中,2名が博士後期課程に進学,4名が就職します.就職組は全員化学系・医薬品系企業の研究職に決まりました.研究職に興味がある方は,是非当研究室にお越し下さい.

私の研究については「Research」のところをご覧になって頂けたらと思いますので,ここでは少し,研究生活についてお話ししたいと思います.
 
皆さんは3年生まで講義や学生実験で学んだことを基盤として,いよいよ卒業研究に入ります.これまでは「答えがあること」を学んできたと思います.講義もそうですし,学生実験もテキスト通りに実験を行えば,必ず結果が出ることを行ってきました.一方,卒業研究では「これまでに世界中の誰も試したことのない,答えのないこと」を研究していきます.実験を行っても,うまくいかないことが多々あります.一応,これまで20年以上研究を行ってきて,そこそこの研究成果を挙げてきた私でも,予想通りの研究結果がすぐ得られることはマレです.
私の研究室では,研究がうまくいかない時には,私を含め学生さんと同じ目線でディスカッションし,トライアンドエラーを繰り返しながら,トラブルの克服を目指します.毎日コツコツと地道な実験を積み重ねることにより(時には投げ出したくなる),トラブルはきっと克服でき,巨大で非凡な結果に結びつき,きっと皆さんの力になります.『天然物』と『合成品』のNMRチャートがピッタリ重なったときの感動・達成感は格別です.天然物の機能を上回る生体機能分子が開発できたときには,世界が変わるかもしれません.目的とした天然物の全合成や,生体機能分子の開発を目指し,一緒に頑張っていきましょう.
当研究室では,社会で必要とされている「目的とした化合物の合成法を自ら考え,実施できる人材」の輩出も目指します.そのためには実験だけではなく,有機化学の勉強やプレゼンテーション能力,ディスカッション能力も必要です.当研究室では配属後,これらの教育にも力を入れていきます.実験と勉強を重ねていくうちに,私を唸らせるようなアイデアを出せるようになります.特に有機合成化学は知識だけではなく,経験がモノを言う学問ですので,大学院へ(まずは博士前期課程)進学する気概がある方を早川研では歓迎します.もちろん博士後期課程への進学を考えている方は大歓迎です(博士後期課程の給付金型の奨学金制度は他大学よりも充実していると思います).プレゼンテーション能力,ディスカッション能力,コミュニケーション能力を磨くために,学会発表や他大学との交流など,さまざまな経験ができる機会を作ることをお約束します(それを活かすかどうかは,あなた次第).可能な限り卒業後の進路についてもサポートしていきたいと思ってます.

有機化学系の研究室は,ハードな生活を送ることになる,と尻込みするかもしれませんが,もし有機化学に興味があるのならば,是非一度見学に来て下さい.毎日規則正しく研究室に来て,日中コツコツと実験することができれば(一般常識のルールを守れれば),楽しく過ごせる研究室ではないかな?と思っています.実験アイデアなどを活発に発言でき,実験・研究以外にも各種イベントを交え,「研究も,遊びも徹底的に楽しむ」雰囲気を作っていけたらいいな,と思っています.実際に手を動かして実験するのは学生さんですから,学生さんからのアイデアは大歓迎です!
「有機合成に興味がある・好きだ」「実験が楽しい」「将来はものづくりを仕事にしたい」と考えている方は,ぜひ早川研にお越し下さい.徹底的に研究を頑張りたい!と思っている学生さんを満足させられる研究テーマと徹底的に頑張れる研究環境は整えています.
生理的に有機化学を受け付けない,と言う方でなければ,これまでの成績はあまり関係ありません(ある程度は有機化学をわかっていて欲しいけど).有機合成を極める,という向上心があれば大丈夫.コツコツ勉強して,実験を通して有機化学を理解していけばいいのです.

一緒に研究できる仲間が加わってくれることを楽しみにしています.

年間予定

  4月 研究室配属・ガイダンス,新歓,試薬整理,練習実験,テーマ決定
  6月 有機合成シンポジウム(春季)
  7月 大学院学内選考,天然物化学談話会
  8月 大掃除,中間発表,前期打ち上げ(学内選考合格祝い,一般入試激励会),夏休み(一斉休み・10日間くらい) 
  9月 大学院一般入試受験者は院試勉強休み,天然有機化合物討論会
10月 大学院一般入試,院試合格祝い,試薬整理
11月 有機合成シンポジウム(秋季),化学フェスタ,筑波大学・木越研慶應義塾大学・末永研との合同報告会(他流試合)
12月 大掃除,中間発表,忘年会,冬休み(2週間くらい)
  2月 卒論発表・卒論提出
  3月 追いコン,席替え(デスク,実験台),日本化学会春季年会,卒業式,春休み(2週間くらい)

週間予定

月曜日〜土曜日 全員9時半に集合.
・B4は20時を目安に実験を終了しましょう(無意味に遅くまでいる必要はありません).ただ,化合物の安定性によって帰り時間が遅くなってしまうこともあります.
・土曜日は9時半からお昼くらいまでゼミ(研究報告会と論文詳読と紹介).ゼミ終了後,みんなで掃除.掃除後は自由.
休日:日曜,祝日,月1回土曜日,夏休み(10日間くらい)・冬休み(2週間くらい)・春休み(2週間くらい).原則一斉休暇(長期休み期間は研究室は閉鎖します).カレンダー(年)によってお休みの長さが変わります.
*セミナー等は休日や早川の出張等の都合によって変更・振替の場合があります.

毎朝のディスカッション:9時半から全員.全員の前で昨日の実験結果と,それを踏まえて今日何を行うか説明(1人2,3分).
院生orB4確認テスト:毎週決まった範囲について自習し,週末に確認テストを行う(B4前期は院試対策).
当研究室のゼミで用いる参考書など

研究報告:全員1週間に行った実験について報告・ディスカッション 
論文ゼミ:5グループに分けて実施.月に1回,論文詳読か論文紹介の当番が回ってきます.
『論文詳読』:最新の天然物合成の論文1報を選び,全反応の反応機構を含み,詳細に紹介する,
『論文紹介』:最新の論文から2報を選び,特に大事なところを簡潔に紹介する(5分/1報で説明する).
*論文ゼミは1月〜3月はお休み.論文詳読の当番は年に2回程度.

*大幅な研究方針の変更などの場合はスタッフと学生さんで随時ディスカッションします.
機器のメンテナンス・ストック品の在庫チェック:第1月曜日午前中
試薬棚卸し:4月と10月の第1月曜日

連絡先

早川 一郎
(はやかわ いちろう)
日本大学文理学部化学科 
(大学院総合基礎科学研究科相関理化学専攻)

〒156-8550 
東京都世田谷区桜上水3-25-40 
TEL: 03-5317-9363
FAX: 03-5317-9433
(化学事務室)
E-mail: hayakawa.ichiro■nihon-u.ac.jp ■=@

研究室へのアクセス
早川研は本館7F 07050室(化学702室)にあります.